
ブータン南部、インドとの国境に接する街がゲレフです。ここでいま、現国王が力を注いでおられる都市開発が進んでいます。
マインドフルネス・シティという名前
この街の名には「マインドフルネス」が掲げられています。近代的な都市をつくりながら、そこに暮らす人の心の充実を忘れない——そうした理念のもとに開発が進められています。
経済の発展と精神の豊かさを、どちらも手放さずに両立させる。ブータンという国が長く掲げてきた考え方を、ひとつの都市というかたちにしようとする試みです。
リンポーチェの構想 —— テンデル・ニェセル・ヒーリングセンター
チュン・トゥルク・リンポーチェは、このゲレフの地にテンデル・ニェセル・ヒーリングセンターを建立する構想を進めておられます。
「テンデル・ニェセル」とは、縁起の瑕疵(かし)を取り払うという意味です。ものごとが結ばれ合って生じるそのつながりの、ゆがみやほころびを整える——そうした願いが名に込められています。
この建築プロジェクトを「テンデル・ニェセル・ヒーリングセンター」と名付けました。これには「縁起の瑕疵を取り払う」という意味が込められています。敷地全体は、神聖な法輪の形状にデザインされる予定です。
八方向のそれぞれには、八正道を象徴する八大仏塔が配置されます。センターの中心部にはメインとなる寺院が建立され、八大ヘールカ(八系成就法)として知られる八尊の尊像が奉安されます。
さらにその最中心では、大きな水力式のマニ車「テンデル・ニェセル・ホルロ」が絶え間なく回転し、祝福を放ち続けます。
エリア全体は豊かな森と自然に抱かれ、緑にあふれた、静穏で乱されることのない環境が保たれます。加えて、地・水・火・風・空の「五大要素」のマンダラが造られ、内なる世界と外なる世界の調和を映し出します。
チュン・トゥルク・リンポーチェ
「見えない法輪」
この構想には、「不可視の法輪」という主題が置かれています。
空から見れば、法輪がブータンの大地に刻まれている——歩道と自然の川が、八正道の軸をかたちづくる。ゲレフの地に描かれた、生きたタンカのようだ、という構想です。
けれども地上を歩く私たちに見えるのは、森のなかから穏やかに立ち上がる控えめな建築だけです。木々のあいだに溶け込み、けっして自然を圧することがありません。
仏法は目には見えないかもしれません。けれども常にここに在り、生きとし生けるものがそれぞれの歩みのなかでその本質を見出すのを、静かに待っている——そうした願いが、この構想には込められているといいます。
めざすもの
- 調和による瑕疵の払拭 —— 精神性・建築・生態系の調和を通じ、自己と他者と自然との関係にあるゆがみを解きほぐす
- 没入できる環境の創出 —— 神聖な象徴、自然の景観、内省のプロセスがひとつに溶け合う場をつくる
- 変容の体験 —— 慈悲の心と明晰さを呼び覚まし、より大きな全体とのつながりを感じさせる
ブータンのため、そして世界のために。「縁起」の智慧を礎とし、癒やしと調和、精神的な目覚めを導く聖域をめざしています。
百八基の仏塔建設
事前の基礎工事を進めたうえで、二〇二六年十一月一日に百八基の仏塔(チョルテン)を一斉に完成させる計画です。百八メートルの間隔をおいて仏塔が並びます。
当センターからも参加を予定しております。
現在の状況
ヒーリングセンターは、構想と計画の段階にあります。進展がありしだい、このページでお知らせしてまいります。
